分散型 2017 10 9

書名 マストドン
著者 小池 啓倫ほか  マイナビ出版

 「マストドン」については、知らない人が多いでしょうが、
ツイッターのようなSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)です。
 なぜ、ツイッターと同じようなSNSなのに、
マストドンが、次世代ソーシャルメディアと呼ばれるのか。
 その違いは、ツイッターが中央集権型サービスであるのに対して、
マストドンは、分散型の運営となっているからです。
 中央集権型であると、
ツイッターを運営する会社が、万が一、経営危機になったり、
サイバー・テロなどの攻撃を受けた場合に、大きな問題が発生します。
 私が、ブロックチェーンやマストドンような分散型システムに好意を持つのは、
このサイトを始めたころ、つまり2003年ごろだったと思いますが、
思いつきで「サーバーのないネットワークは可能か」ということを主張したからです。
 当時は、このような考え方は、不評でした。
サーバーは、コンピューター・メーカーにとって、「ドル箱」だったからです。
 しかしながら、インターネットの起源は、
冷戦時代に、核攻撃を受けても、
ネットワークは生き続けられるようにするという発想から始まっているのです。
 そうであるならば、それをさらに進めて、
「サーバーのないネットワーク」、
「管理者はいないが、24時間365日動き続けるシステム」があってもよいと考えるのは、
自然な成り行きであり、パソコン好きの多くの人が、そう考えていたはずです。
 こうした考え方は、コンピューター愛好家が推進していったはずです。
私のほうは、当時、イラク戦争が始まったので、
このサイトは、政治分野に集中して、コンピューター分野から撤退しました。
 また、当時、私は、「グリッド・コンピューティング」を広めようと主張しました。
これは、パソコンを集めて、
スーパーコンピューターに匹敵するような「仮想スーパーコンピューター」を作ろうという話です。
「グリッド・コンピューティング」は、当時、英国で始まった取り組みだったと思います。
 パソコンというものは、1日のうち、24時間使われているのではなく、
せいぜい、2時間から3時間程度しか使われていません。
つまり、残りの22時間は、使われていないのです。
 そうであるならば、使われていない22時間を使って、
50台や100台のパソコンをネットワークでつないで、
ネットワーク上に「仮想スーパーコンピューター」を作り出すという発想です。
 つまり、コンピューターというと、
CPUやハードディスクで構成されるハードウェアを連想しますが、
グリッド・コンピューティングでは、コンピューターとは、
ネットワーク上に存在するソフトウェアを意味することになります。
つまり、「ネットワークに生息するコンピューター」という概念です。
 こうした概念も、その後、どうなったのかわかりません。
このサイトでは、イラク戦争、金融危機など数多くの危機対応に専念しましたので、
コンピューターの分野からは遠ざかってしまいました。
最近になって、またコンピューターの分野に戻ってきたという感じです。

Game changer 2017 7 2

書名 週刊アスキー 特別編集
   ツイッターに迫る勢いの新型SNS マストドン

「インターネットの民主化を目指して」

 この雑誌には、
大手SNSの限界を超えるマストドンを解説する小冊子がついています。
 なぜ、マストドンなのか。
Facebook、Twitterでは、なぜダメなのか。
 そういう疑問に対する答えが小冊子には書いてあります。
簡単に言えば、中央集権型のFacebookやTwitterに対して、
分散型のマストドン(mastodon)ということになります。
 中央集権型のFacebookやTwitterにおいては、
中世の時代の国王のように、
経営陣が、SNS運営の決定権を握っているということになります。
 小冊子では、こう書いてあります。
「巨大ネット企業は、ジャイアニズムが有効な世界だ。
ソーシャルメディアは、あまりにも大きくなりすぎているうえに、
ひと握りの経営陣が、その世界の絶対的なルールの決定権を持っていたりする」
「(マストドンはTwitterに似ているが)最大の違いは、
全ユーザーを管理する単一の『中央集権型』サービスを脱して、
ユーザーの誰もがサーバーを運営できるようにしたオープンソースのSNSであることだ」
(引用、以上)
























































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